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2018年5月30日 (水)

愛国者のトリック

『ギャラリーフェイク』「愛国者のトリック」は藤田が右翼の大物フィクサーの依頼を受ける。フィクサーは日本の宝である雪舟の水墨画の国外流出を阻止しようとする。志は立派であるが、行っていることはだましである。大物フィクサーの前でも軽口を慎まない藤田の反骨精神は見事である。中でも藤田の相互主義の論理は注目に値する。
フィクサーは日本の美術品の国外流出を阻止することで愛国者を任じている。一方で自分の邸宅で海外の美術品をコレクションしている。これをフィクサーは自国文化を唯一とする偏狭さはなく、海外文化も評価する心の広さと自賛する。これに対して、藤田は海外の愛国者が自国の美術品が日本に流失していることを知ったら何と思うかと皮肉を述べる。
ここに相互主義の精神がある。美術品の海外流出に反対するならば、海外の美術品を自国に持ち込んではならない。この話にはオチがあるが、相互主義の観点から正当な結末である。

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