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2018年5月13日 (日)

ドバイにはなぜお金持ちが集まるのか

福田一郎『ドバイにはなぜお金持ちが集まるのか』(青春出版社、2008年)はドバイの経済的繁栄を解説した書籍である。ドバイは砂漠ばかりで石油も出ない、夏は酷暑で過ごしやすくもないという悪条件が重なっている。立地を重視する日本の不動産業界ではマイナス評価されそうである。ところが、今やドバイは企業や観光客の集まる最先端の国際都市である。
その理由を本書はドバイが平等で誰にでもチャンスを与えてくれるからとする。「ドバイには、外国人だから、外資だから、会社が小さいから、新しい会社だからというような差別は一切ない」(6頁)。これは日本の経済成長モデルとは真逆である。
この「開かれた」は、お金のある人に開かれたというものである。日本のように資金や意欲があっても官僚の裁量や業界横並びの圧力で潰される社会に比べれば公正である。
ドバイは君主制で民主主義はないが、良い意味で小さな政府の効果がある。「税金がないので政府による税金のムダ使いもないし、政治家がいないということは腐敗や汚職、無能な政治家も存在しない」(83頁)
税金がなければ無駄遣いもない、政府の権限が少なければ非効率な権限行使も少なくなる。これは良いが、国民の監視なしに権力の腐敗を避けることができるか。現時点のドバイでは上手くいっているとして、日本の公務員マインドでは無理だろう。
権力の監視は民主主義的な仕組みに限らない。腐敗した政府の下では外資が逃げるという市場原理に委ねる方法もある。その場合も透明性が不可欠である。しかし、日本の公務員マインドは情報公開の点でも遅れている。

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