2018年7月19日 (木)

中東

中東の歴史を解説した書籍である。米国同時多発テロによってイスラム=過激派テロリストという決めつけがなされることの憂慮がある。本書は歴史を叙述することで、その決めつけを払拭しようとする。これは良いことである。イスラムに好意的な立場には左翼学生運動や日本赤軍の伝統を引きずっているのか、アメリカ帝国主義に対抗する勢力としてイスラムに期待したいという本音が見え隠れするものがある。ソ連の崩壊でソ連型社会主義には誰も見向きをしなくなった。それでもアメリカを認めたくないオールド左翼が代わりの旗印としてイスラムに期待する構図である。しかし、これは逆にイスラム理解の妨げになる。オールド左翼とは異なる人々のイスラムへの偏見を助長しかねない。

2018年7月18日 (水)

アッカ監察課

オノ・ナツメ『ACCA13区監察課』は架空の近代国家ドーワー王国を舞台とした漫画である。主人公は監察課の副課長である。何を考えているか分からないキャラクターである。データ送信時刻の差異から不正を見抜くところは切れ者である。データのチェックが主体の地味な仕事での見せ場になる。
本作品には、お洒落な雰囲気がある。しかし、実は全くお洒落ではない。主人公には「もらいたばこのジーン」という大層な二つ名があるが、たかりであり、本来ならば恥ずかしいことである。公務員的な存在には許されないことである。

2018年7月17日 (火)

からかい上手の元高木さん

『からかい上手の元高木さん』は『からかい上手の高木さん』のスピンオフ漫画である。大人になった高木さんを描く。高木さんは結婚して名字が変わり、娘が産まれた。
『からかい上手の高木さん』のような強烈な笑いは乏しい。本家あってのスピンオフと感じた。代わりに娘の存在感が大きく、『よつばと』のような感覚である。但し、『よつばと』では周囲の大人との交流で話が広がっていくが、『からかい上手の元高木さん』は家族内で完結する傾向がある。
『からかい上手の高木さん』は登場人物が少ないことが特徴である。

2018年7月15日 (日)

インド変わる大都市圏

地理2018年7月号は「インド変わる大都市圏」を特集する。近代化が進むインドの大都市圏を紹介する。
インドと言えばカースト制度が近代化の障害となっている。それも都市化によって身分と結び付いた伝統的職業がなくなり、弱まっている。それを「住民間の社会関係が分断されたアーバンビレッジでは、増大する地域問題を解決する地域の主体がなくなり、その解決はより困難になった」とマイナス面を評価している(澤宗則「大都市近郊農村からアーバンビレッジへの変容」47頁)。このような評価が出るところにカースト制度が現実に弱まっていることを実感する。

2018年7月14日 (土)

進撃の巨人23

『進撃の巨人』23巻はマーレの話とエレン達の話が平行する。マーレの話は別個の展開ではなく、エレン達に関係する話であった。
『進撃の巨人』は圧倒的な巨人に食べられる無力な人間という展開が話題であった。ところが、外の世界では科学技術の発達によって巨人の優位性が減少している。昭和のゴジラは過去のものになり、地球なめんなファンタジーというジャンルが登場した社会を反映している。
エレンは中二病扱いされる。シリアスな展開の中でシリアスな雰囲気を壊さずにギャグが入る。

ワンピース89巻

尾田栄一郎『ワンピース89』(集英社)はビッグマム編がほぼ終わる。完全に終わりではない。ルフィとカタクリの死闘に決着がつく。カタクリはルフィの強敵にふさわしい存在である。勝つために手段を選ばない卑怯者は強敵キャラクターとしても相応しくない。日本大学アメリカンフットボール部の違反行為は多くの人々を怒らせ、日本大学のイメージを失墜させた。
カタクリには兄弟姉妹にも隠している秘密があった。これまでは秘密を知られた人を殺してしまうほどであったが、ルフィとの闘いの最終局面ではさらけ出した。

はたらく細胞ブラック

『はたらく細胞ブラック』は体内細胞擬人化漫画『はたらく細胞』をブラック労働に置き換えたスピンオフ漫画である。表紙の赤血球と白血球は『はたらく細胞』と男女が逆パターンである。
ブラック企業は社会問題になっている。ブラック企業の周りにはブラック士業なども蠢いている。『はたらく細胞』では細胞達が自発的に楽しく働いているように見えるが、そのような職場環境ばかりかということは誰しも思うことだろう。その意味で好企画である。
但し、ブラック企業という観点では物足りなさがある。ストレスや喫煙など人体がブラックである。

はたらく細菌

『はたらく細菌』は人体細胞擬人化漫画『はたらく細胞』のスピンオフ漫画である。赤血球などの細胞は登場せず、細菌を擬人化する。キャラクターではなく、コンセプトを利用したスピンオフである。
善玉菌と悪玉菌の陣取り合戦を描く。『はたらく細菌』というより『戦う細菌』という感じである。肉ばかり食べて野菜を食べないと体に悪いということを実感させる作品である。この意味で非常に教育的である。臭い屁が出るという点も少女への教育効果がある。
一方で『はたらく細胞』の面白さは乏しい。二つの陣営の戦争となると、個々の細菌は各陣営の駒になってしまう。

2018年7月12日 (木)

はたらかない細胞

『はたらかない細胞』は体内細胞擬人化漫画『はたらく細胞』のスピンオフ漫画である。赤血球に成長しない赤芽球をニート風に描く。『はたらく細胞』は人体の勉強になる点が多い。これに対して本作品はギャグテイストが濃厚である。
働かないように見えて、実は役に立っているという話かもと思ったが、深読みし過ぎのようである。そのように感じた理由としては、表紙の赤芽球が銀河英雄伝説のヤン・ウェンリーのように見えたからである。働かない非常勤参謀と揶揄されながら、実は有能であった。

ミスタージパング2

椎名高志『MISTERジパング』(小学館)第2巻は蜂須賀小六とのエピソード「蜂須賀村の決闘」の続きである。タイトルが映画作品のタイトルを連想させる点は『ゴーストスイーパー美神極楽大作戦』に重なる。因みに第1話は「天下を狙え」であった。
織田信長と蜂須賀小六の対立を日吉の知恵で回避しようという展開であるが、無理を感じた。信長は小六と全面対決するつもりはなく、実行者を差し出せば撤収すると考えているが、実行者が小六本人でなかったとしても、無法に乱暴を働いた訳ではない人物を差し出す理不尽を小六が受け入れることはないだろう。信長の考えでは全面対決に至るだろう。
蜂須賀村に圧力をかける織田方が暴走族風である点も信長の浅慮を印象付ける。

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