2018年10月15日 (月)

銀河英雄伝説11

田中芳樹原作、藤崎竜漫画『銀河英雄伝説11』(集英社)はリップシュタット戦役が描かれる。キフォイザー会戦がほぼ決着する。正義派諸侯軍の総司令官はメルカッツである。メルカッツが総司令官になった背景が分かりにくい。はしょりすぎている。メルカッツは後にヤンファミリーになる重要キャラクターである。本作品の扱いには不満がある。
ヒルダがラインハルトに味方する場所は異なるが、やり取りは原作通りである。ヒルダにはアンネローゼへの友情とキルヒアイスへの強い恩義がある点が本作品の特徴であるが、やり取りはあまり変わっていない。初登場時に人の気持ちが分かる優しさがヒルダの特徴と説明されていたが、ここでは知謀を示している。

古見さんはコミュ症です。3

『古見さんはコミュ症です。3』はプールや夏祭りなど古見さんが同級生と経験する話が中心である。只野くんは古見さんがコミュ症であることを分かっており、普通のやり取りでは驚かなくなっているが、プールや夏祭りという非日常的な経験で新鮮な驚きが生じる。第1巻のリア充グループはうざかったが、すっかり古見さんを中心とした世界に組み込まれてしまった。
古見さんの家族の話もある。あの母親から娘がコミュ症になることは想像しにくかったが、父親譲りであった。

古見さんはコミュ症です。2

『古見さんはコミュ症です。2』。コミュ症を取り上げた点で画期的な漫画であるが、第2巻は古見さん自身の話よりも奇人変人図鑑のようになった。奇人変人が集まる「異端」高校という設定のために作者の予定通りの展開だろうが、コミュ症ということで注目した向きにはあまり面白くない。早くも第2巻でネタ切れかと思ってしまう向きもあるだろう。
奇人変人とのやり取りよりも、後半の美容室の話のように普通の人が古見さんのコミュ症を知らずに驚いてしまうパターンが笑えた。それは第1巻では只野くんの役割であったが、只野くんは既に古見さんがコミュ症であることを知っているので、新鮮な驚きにならない。

2018年10月13日 (土)

三度目の殺人

『三度目の殺人』は映画である。被告人役の役所広司と弁護士役の福山雅治の頭脳戦が展開される。検察官役はシンゴジラやアンナチュラルに出た市川実日子である。
福山雅治の弁護士は被告人の言葉を鵜呑みにせず、自分で調査する。自白偏重の日本の警察や検察と対照的である。
一方で真実よりも依頼人の利益を重視する割り切ったところがある。ドラマ『刑事専門弁護士』の深山弁護士は真実を追求することで冤罪から守った。改めて凄い存在と感じた。

しょてんじんのはんせい

『しょてんじんのはんせい』は本の魅力を語る書籍である。著者は埼玉県浦和市(現さいたま市)で生まれ、埼玉県に住み続けている書店人である。
本書はエンターテイメントとしての読書を語る。難しい本を読めという話ではない。映画やビートルズ、プロレスの蘊蓄を語っており、文字通りエンターテイメントである。むしろ読書というよりも昭和の戦後文化を語っているように感じられた。
本書は現代人がスマホばかりで読書しなくなったことに問題意識を持っている。しかし、本書の述べるようなエンターテイメントならば、スマホと両立する。スマホで電子書籍を読むことができるし、「小説家になろう」などの投稿サイトで小説を読むこともできる。

2018年10月12日 (金)

銀河英雄伝説10

田中芳樹原作、藤崎竜漫画『銀河英雄伝説10』はアムリッツア会戦から、皇帝崩御、リップシュタット盟約が描かれる。新皇帝エルウィン・ヨーゼフ2世の危なさに驚かされる。これの亡命を受け入れ、亡命政権を樹立させたトリューニヒトへの嫌悪が深まる仕掛けである。原作ではヤンがトリューニヒトを過剰に嫌っていたようにも見えたが、ヤンの嫌悪感に共感しやすくなる。
ラインハルトは最初から新皇帝の擁立に関わっていない。後からリヒテンラーデ侯爵と手を組んだ。この方が新皇帝切り捨ての道義的責任は軽くなる。

2018年10月 8日 (月)

原発マフィア

船瀬俊介『原発マフィア』(花伝社)は原発利権の問題を明らかにし、自然エネルギーへの転換を主張する書籍である。原発利権は多くの書籍が指摘するが、そこに秘密警察が関わっていたとする。日本の原発推進者は「逮捕状なしでの逮捕、拷問などなんでもあり」の特高警察出身であった(29頁)。それが戦後はCIAの犬になり、原発を推進する。ソ連のチェルノブイリ原発事故もKGBが真相を隠蔽したとする(70頁)。
原発利権は巨大な警察利権と言えるのではないか。上が腐っているから、下も交通違反取り締まりノルマや交通安全協会利権、パチンコ利権が出てくる。

詐欺師のトーク

さいたま市桜区の住民の不安に詐欺商法があります。マンションだまし売り被害者として詐欺師のトークの特徴を説明します。人脈をひけらかしますが、具体的な決定事項は何も言いません。詐欺師に対してはイエスかノーかで答えられる質問をしても、誤魔化し、自分の説明を繰り返します。自分の言いたいことを相手に理解しようとするだけで、こちらの論点は無視します。相互主義がありません。こちらの質問に答えないということは真面目に向き合う気がない、相手を尊重する気がないということであり、詐欺師の確率が高まります。

2018年10月 7日 (日)

銀河英雄伝説9巻

銀河英雄伝説9巻は帝国侵攻作戦からアムリッツア会戦直前までである。
ロイエンタールは奇をてらった陣形でビュコックに挑む。原作では保守的な王道と描かれていた。
フィッシャーはアニメでは英国紳士風であったが、本作品では頑固親父の職人的である。艦隊運用の名人には合っているか。
ウランフの猛戦に敬意を示すビッテルフェルトはカッコいい。このようなところがケンプやレンネンカンプと異なり、最後まで生き残れた要素ではないか。
ドワイト・グリーンヒルは無益な戦争を進めた自由惑星同盟の衆愚政治に疑問を抱く。後の彼の行動につながりそうである。
石黒版アニメと異なり、ワーレンとルッツのビジュアルは大きく異なる。

2018年10月 6日 (土)

瑠璃色の一室

『瑠璃色の一室』は現代日本を舞台としたミステリーである。帯にはホワット・ダニットと書かれているため、何が起きたかが問題と思いながら読み進めるが、それも著者の仕掛けかもしれない。実はフー・ダニットの要素がある。
本書には3人の視点人物がいる。章毎に視点人物が変わり、それが繰り返される。視点人物の一人は刑事である。刑事の捜査の進め方が分かるが、これでは冤罪が生まれると感じられるものである。基本的に一人で進めており、上位のマネジメントがなされていない。

«恋する力